2012年12月23日日曜日

②首都 ティンプー


首都 ティンプー  →地図②

 

ティンプー市内

標高2300m地点にあるブータン最大の都市にして首都。
町は緩やかな斜面に広がっている。ティンプー谷。
パロ国際空港から車で90分ほど。
気温はこの時(1月)で2℃~12℃。
中央行政施設でありかつ、ブータン仏教の総本山であるタシチョ・ゾンや、
ホテルや商業施設などがある。


ティンプー市内 メインストリート

さすが首都。  車がずらりと並び、人々の往来も多い。

だけど、それでもこじんまりとした感じで、首都でコレならやっぱりブータンって素朴だなと思う。
ここがメインストリート。 といっても、そんなに長い道でもない。ほんとうに こじんまり。



横断歩道の標識。
歩く人が、民族衣装の「ゴ」を着てる!
ラオスでもラオスの民族衣装の横断歩道標識を見たな。

タイでは象の絵で「象に注意」の標識があったし、
日本の西表島ではイリオモテヤマネコの絵で
「イリオモテヤマネコに注意」の標識があった。

各国、各地それぞれで、標識ってほんと、おもしろい。


後ろの交差点の真ん中に見えるのは、
ブータン唯一の信号。

警察官が入っていて、
道行く車に手旗信号で交通整理をする。

これが、ブータンに1つしかない信号。


建物の壁がきれいにペイントされていて、この種の美しさは日本とは全く違うと思う。
マンションのような建物は、そこに入っているテナントなのか看板だらけ。
その所狭しと看板が並んでいるのがとてもおしゃれに見える。

「写真とって~」とにこにこ近づいてきたお母さん。
はにかみやさんが多いブータンだと思っていたけど、こんな人なつこい社交的な人もいる。
その横に、食肉をどっさり積んだトラックが到着。 
トラックの荷台からは血がタラタラ流れていてちょっと衝撃。 
なんてリアルな。
そこに、まさにしっぽを振って集まっきて、食肉をほしいほしい~と見つめアピールする犬たち。

服屋さんの前のマネキン。 ブ、、ブータンらしいな。 布織物の店もよく見かける。布を買って民族衣装を仕立ててもらうことが多いみたい。 ブータンの布織物も、とっても素敵。

ハンディクラフトのお土産屋さんの母子。 
お店の手伝いをしているこの子は英語で「何でも聞いて。」という。
「じゃあ、これはいくら?」と尋ねると「ちょっと待って!マ、ママ~!」とママに値段を聞きに行く。
「そうなの。じゃあ、こっちはいくら?」と新たに尋ねると、「ちょっとまって!ママ~!」とまた聞きに行く。
自信たっぷりに「さあ、何がほしいの?何でも聞いて。」と言うけれど、いちいち聞きに行くこの子。
かわいらしくて、お茶目なこの子の後ろにある写真は、ブータンではおなじみの王様と・・・・あれ?
この女の子じゃん!
王様もこうやってお店の女の子を抱っこして写真撮るなんて、フレンドリーだなー。

市内メインストリートにあった、「SALOON」の文字と怪しげな方向へと誘う矢印。
ホントにこんなとこに美容室があるのか?と思うけど、 ちゃんと流行りのヘアスタイルの写真なんかが貼ってある美容室らしき空間が奥に用意されている。
少し歩くと、ペンキ屋発見。 窓枠を白に塗り直してまばゆいばかりの白さだけど、めちゃくちゃ窓にペンキが飛び散ってるやん。
このペンキ屋に頼んだらこうなるのかー、ってそこまで隠さずお見せして商売するんだな、ブータン人は。


何年か前のミスブータンのポスター発見。きれいなこの女性、今は女優業にいそしんでるんだとか。
果物屋ではこんなに寒いのにバナナやスイカが売られている。
ホテルの食事で「フレッシュフルーツよ!」とニコニコ笑顔で店員さんがフルーツを出してくれたことがあったけど、 絶対に缶詰だよ、っていうシロップ漬けのパインと、甘くないスイカと、 今まで食べたことない驚きの渋い渋いバナナだった。
標高、気候、国土、ブータンの農業事情は厳しそうだから、それからいえば、確かにフレッシュフルーツなんだろうな。


首都にはきれいなレストランもある。 
こんなしゃれたところでランチするブータンのおじさまたち。どんな仕事してるんだろ。


街のメインストリートには小さな商店がちょくちょく存在していて、 狭いお店にちょこんと、売り物に囲まれて売り子さんが座っている。 売っているものも高価なものはなく、ちょっとしたお菓子だったり、急に仏像写真だったり。 なんだか、日本の昔のたばこ屋さん、って感じで懐かしい。 私の小さいときも、近所に「たばこ屋さん」っていう名前で呼ばれる駄菓子屋があったな。
    

 

で、その首都のインフラ事情。
舗装はされていて、メインストリートにもコンクリートの歩道があるけれど、
歩道のあちこちに段差があり、いきなりの場所に穴があき、よく見て歩かないと、
「アッ!」と落とし穴に足を落として転んで挫いたり、骨を折っちゃったりするかも。
エッッ?何でこんなに一段一段の高さが違うの?と突っ込みたくなる階段が突如あらわれ、
細い路地を見ると、下水の水路がむき出しで、かつゴミをたくさん浮かべて流れている。
今回、ティンプーを歩くとき、私はものすごく体調が悪く、やっとのことで歩いていたので、
これらの穴や溝や段差は、私にとって大変な障害だった。
車いすや白杖を使って歩く人には厳しいなー、と思う。
でも、これが首都ということ、これが今のブータンのバリアフリーへの意識。



JICAブータン事務所

国際協力機構JICA そのブータン事務所がティンプーにある。











JICA事業はODA(政府開発援助)でいろんな国に橋を作ったり、鉄道を作ったり、空港を作ったり、 もう、それはそれはいろんなことをやっていて、実はいろんな国から感謝され、 いろんな国のODAで援助を受けて作られた橋や鉄道に感謝の思いを込めて日本の国旗をつけていたりするのだが、 多くの日本人はそれを知らない。
知らないで観光して大事なことを日本に持ち帰らないと思う。
謙虚な日本人よ、私たちの母国日本は、こんなに海外でがんばっていて、
こんなにも感謝されているんだぞ、 まずそれをもっと知れ、そして誇りをもて、こら!とよく思う。

タイのスワンナプーム空港、ラオスとタイをつなぐ友好橋、パラオの島々をつなぐ国民の足となっている橋も、 日本のODAなんだぞー! 私たちの税金で、ちゃんと感謝される使い道をして、日本は愛されて、友好関係を築いているんだぞ-!

そのJICAの事業の1つに、途上国への青年海外協力隊派遣がある。
ブータンにも今、この時点で23名の青年海外協力隊員、14名のシニア海外ボランティアが派遣され、活動している。
「ブータン農業の父」といわれるブータンで最も有名な日本人、西岡 京治さんもかつてJICAから派遣された農業技術者だった。
そのメモリアルチョルテンがパロにあるので、絶対に行かねばと思っている。
国王の戴冠式に招かれた日本人6名のうち、1名はJICAの職員だったんだから、 JICAの国際協力事業は、ブータンでも日本の信頼関係を築く大事な太いパイプなんだぞ! 誇らしいじゃないかー!! 現国王がまだ11歳の時、初めてのスピーチで緊張しているところを隊員に励まされ勇気をもらったというエピソードを読んで、 そんなにも近しく隊員が活動していけるブータンがうらやましく感じたほど。      ※詳しくはここ→「ブータンの戴冠式」、  「変革を迎えたブータンとJICA」

そのJICAブータン事務所。
ついこの間まで青年海外協力隊員タイ隊員だった身としては、ぜひぜひ行きたかった場所。
中をのぞくとなにやら宴の準備のような・・・。  
派遣されている隊員や専門家、その家族、JICA職員が集まって新年会の準備中だった。
ちょっとおじゃまして声をかけると、みなさん快く応対してくれた。
青年海外協力隊員には任国外旅行が許されているが、ブータンにはどの国からも入国できない。 だから、他の国の隊員がやってくることがなく、任期中だれも来ない、そんなビックリの任国なのだ。 大きな鍋で味噌汁をつくり、餅つきもするのだそうで、ぜひいらっしゃいと声をかけてくれるそんなみなさんだった。
活動お疲れさまです。 みなさん、がんばって!



中央政庁 タシチョ・ゾン

首都ティンプー、パロ、プナカといった都市はブータンの文化的な中心地となっていて、
それぞれに「ゾン(城塞)」がある。 ゾンは、地域行政機構や僧院として機能している。


このタシチョ・ゾンは、ブータンの政治の中心となる場所で、国会議事堂。 夏の間はブータン仏教界最高の大僧正の住まいともなっている。
現国王の戴冠式典もここでとりおこなわれ、国民とともに祝うために海外の皇室は招待せず、
最小限の来客に留めたのだそうだから、なんてあたたかい国王、そして1つの家族のような国だろうと思う。

毎朝、毎夕、厳かに、巨大な国旗を上げ下ろしする。
ゾンも巨大だけど、それに見合う巨大な国旗。
ちょうど、その時間に出くわしたので、何やら重鎮そうな人たちと、国旗を守り運ぶ兵士たちの
格式ある儀式を見ることができた。

中央政庁というだけあって、すごい広さ。 ここが政治の中心、日本の霞ヶ関かぁ。
国王の住居もタシチョ・ゾンのすぐそばにあったけれど、木立の中に立っているため見えにくくなっていた。
寺院の中は撮影禁止。 
ブータンではすべての寺院・宗教関連施設において外観のみ撮影可能で、建物内は撮影禁止だ。
中には大きな仏像があった。

どの寺院でも見かけるスノーライオン。 かわいくてブータンの旅ですっかりお気に入りになった。
入り口に立っていたり、扉の上にたくさん並んでいたり、こんな壁にもちょこんといて。
神様の中にはたまに あれ?と不思議な神様がいる。
これは、人の皮を首に巻いたり、これでもかというくらいに残酷~ないたぶり方で人をこらしめている神様。




サンゲガン展望台と 超巨大ブッダ像

ティンプー谷を眺望できる。 国土のあちこちの標高差が大きく、
国土の半分以上が富士山並みに高い山々であるブータンは
首都もこうやって山に囲まれた谷にあるんだなと、よく分かる眺め。


そこにある、巨大なブッダ像。 まだ、ブッダ像前の広場はこれまただだっ広く、
まだ作りかけの状態だが、できあがったらここには何が設置されるんだろう。
ブッダ像の大きさと人間の小ささが、いやいや、すごい。



ティンプー谷の守護寺 チャンガンカ・ラカン

ティンプー谷の守護寺であるこのチャガンカ・ラカンは、原則として外国人の内陣拝観は禁止。
入ることも許されないなんて~ さすが、ブータン。
妥協しないな。譲らないな。かっこいいな。
けっこう最近まで鎖国状態だったんだから、国に入れてもらえるだけでもありがたく思わなきゃ。





国獣ターキン牧草地



これが、国獣ターキン。


そのターキン牧草地に歩く途中、いくつかの民家があって、そこでかわいい女の子が機織りをしている。
近づいてみるとはにかみながら、でもヨイショイショと機織りを続けて見せる。
お姉ちゃんや、妹や、お母さんが家から出てきて、家族でおしゃべりしながら、ほのぼのとした光景。
去ろうとすると「Buy ストール!」 と、ストールを買ってよ-!と要求する。
「安いのよ、これはシルク、こっちはコットンよ、本当に安いんだから-!」
と一生懸命にいうし、目の前で折る姿を見てなんだか愛着が湧くし、
本当に素敵な品々なので2つ購入。
お値段は700円から1500円程度で首都の中心地で買うよりもずっとお得な値段だった。



ハンディクラフトエンポリウム

ブータンの布織物、刺繍作品、衣服、仏教に関するいろんなグッズ、美術作品、いろいろある。

このかわいらしい卓上マニ車の色彩も、日本にはない感覚だ。
ものすごく気に入ったのが、この刺繍。 
冬の季節感たっぷりで、もこもこと色とりどりでかわいくて、あたたかくて、
一目で気に入ってバッグやらポーチやらいくつも購入。
値札は完全に付け間違えてるか、気分でやってるやろ?と言いたくなるような
首をかしげたくなる不思議な値段ばかりだったけど、 そんなところが日本と違って、いい。

0 件のコメント:

コメントを投稿