全日程ホテルに泊まるのも味気なさ過ぎる。
いち観光客であるから観光客料理を食べ、観光地に行かざるを得ない といえども、
少しくらいブータンの一般の人々の中に入りたい!と 旅行会社にリクエスト。
プナカの農家に2泊。 パロの農家に1泊することになった。
ここでこそ、きっと本当のブータン料理、ブータンの一般家庭食が
ブータンスタイルで味わえて、子どもたちともふれあえて、
本当の素朴なブータンの人たちを感じられる、と何よりも楽しみにしていた。
全泊、農家泊したいくらいに。
プナカの農家にファームステイ
まずは、プナカの農家へ。プナカ・ゾンの北側に位置するイビザ村の農家に宿泊。
村に入る吊り橋には、宿泊する農家の娘さんが迎えに来てくれていた。
そこで車を降り、荷物を持って吊り橋を渡る。

そして、そこからは一面見渡す限り棚田の美しい風景を、歩いて登る。
車が入るような道なんてどこにもない、田んぼ田んぼ田んぼ。
荷物を担いで、とにかく足で登るしかない。
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時には田んぼの真ん中をつっきる。 ぬかるみがあったり、
牛の糞があったり、歩くのにも四苦八苦。
だけど、それがその村の人々にとってふつうの生活道なのだ。
村の人たちも通っていく田んぼの中。
道なき道を、娘さんの案内どおりにとにかく上がる。
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私の大きなスーツケースを担いで、棚田を登っていくのだから、
途中でハアハア汗をかき、民族衣装も半脱ぎ状態で。

30分以上歩いてやっと到着。
道なき道を30分歩くのは、アスファルトや舗装された道を30分歩くのとは訳が違う。
この大きな農家が2泊3日間お世話になる農家。
牛に馬に鶏に猫。 動物がたくさんの棚田の上の農家。
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2人の姉妹と、お父さんお母さん、そして他の村で暮らしいている一番上のお姉さんの子どもたち。

プナカは冬の避寒地。 とはいえ、冬の寒さにほっぺが赤くなっている子どもたち。
クリームの薬を塗ってあげるお姉さん。
塗られている子どもたち。 家族が仲良く、みんなで助け合って、
大人は働き、子どもはその手伝いをしている なんとも、自然でつつましく人間性豊かな人たち。

昼間の日差しは熱く、外はぽかぽか。 日差しが強いため、みんな日焼けしている。
チビッコたちはチビッコ同士で、遊びを開発し、元気フル回転で遊んでいる。
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家の中で1番に案内されたのが、祈りの部屋。
敬虔な仏教徒であるブータンの人々の家には、こうやって祈りの部屋があることが多い。
要するに日本で言う和室であったり、仏間であったりする。
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このミルクは、この家にいる牛のミルク。
と思うと、今までのミルクティーよりも新鮮でおいしい気がする。
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かわいい猫がいて、その名前を尋ねると「ジリ」という。
「ジリ」と呼ぶとこっちに来るし、みんなが「ジリ、ジリ」と呼ぶので 猫の名前だと思っていたけど、
後で分かったのだがゾンカ語で 「猫」を「ジリ」というのらしい。
ということは、この家の人たちは猫を「猫、猫」と呼んでたのだ。
ペットとして動物に名前をつけるという感覚がないのかもしれない。
名前をつけて愛玩物とするという感覚は、なんだか日本人のエゴだな、と思えた。
猫は猫なのだ。
勝手に名前をつけて付属物に、愛玩物にしてくれるな!と
日本の飼い慣らされた猫たちは思っているのだろうか。
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エメラルドルグリーンの壁の色がおしゃれで、並ぶ食器や調理器たちも絵になる。
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食事は家族で輪になって食べる。
やっと、ブータンの一般家庭の一般的食事を一緒に味わえるのがすごく嬉しい。
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おばあちゃんはご飯をめちゃくちゃこぼしまくっていたが、
それも普通のことのようで こぼすだけこぼして、
食事後はそこら中のご飯粒やおかずをほうきでサッサと掃いて 何事もなかったかのようになる。
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だけど、まあ、なんてかわいいのか。
手でつかみモグモグ。
干し肉をかじっては固くて奮闘し、となりのお兄ちゃんの皿にポイッ。
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二人で耳にかけて遊んでいる。
なーんてかわいい。
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ホテル食とは全く違う。
ご飯の上におかずを数種類のせて手で食べる本当のブータン形式。
おかずは、唐辛子を使ったものが多く、3種類程度。 おかずがなくなれば作るが、
なくなるまでは食べるので、 朝昼晩、同じおかずの時もある。
一品がなくなれば一品新しいおかずがデビューするという形。
家族みんなでおいしく食べる。そして毎回、ミルクティーを飲む。
昼食:赤米・卵焼き・ぜんまいダッツイ・唐辛子の佃煮のようなもの・スープ。
夕食:白米・卵焼き・ぜんまいダッツイ・唐辛子の佃煮のようなもの。
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朝食:赤米・卵焼き・ジャガイモと干し肉の煮物。 昼食・赤米・卵焼き・干し肉・エマダッツィ
というように、朝昼晩、ほとんどメニューが変わらず、同じものばかり食べていた。
だけど、ブータン滞在中、 一番美味しい食事だった。
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朝起きてすぐにミルクティー。 朝ご飯でミルクティー。
昼ご飯でミルクティー。 休憩時間に一息ミルクティー。夕食でミルクティー。
寝る前にもミルクティー。
というように、一日中なのだ。
ホテル泊でも、ミルクティーばかり飲んでいたが、
こうやって一般家庭で過ごすと 本当にブータン人は
紅茶特にミルクティーと共にあるのだなとわかる。
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紅茶に自家製バターを溶かしているもので、少ししょっぱい。
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葉っぱにビンロウジュの実と石灰をおいて クルクルと巻き、口に入れて噛む。
すると、化学作用を起こした物質がじわーっと出てきて、
一種アルコールやタバコのような ほんわか覚醒作用がある。
口の中が真っ赤になり、口の周りも真っ赤、そして真っ赤なつばを吐く。
知らない人から見るとびっくりだが、ブータンでは一般的でみな噛んでいる。
ブータンのみならず、日本以外のいろんな国で一般的な光景だ。
私も今までいろんな国ですすめられてきたが断り続けたビンロウジュ。
今回、初めてトライするが、、、、う~ん。 お、おいしくない!
だけど、何度も噛んでいるうちに、次第に美味しいと感じるようになり、やみつきになるんだとか。
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朝は鶏の鳴き声で目をさます。
起きるとすぐにミルクティー。
お香を焚いて、いい香りが漂う朝。
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大きな唐辛子を火であぶって、唐辛子の煮物を作る。

チビッコたちと一緒に折り紙を使って遊ぶ。
ブータン人のガイドにあやめ作り方を教えると、すぐにマスターしてしまった。
あやめを折るのに熱中するガイド。
チビッコは折り紙を使って自分なりの遊びを作り出し、こちらも熱中。
子どもって、どんどん遊びを開発するからすごい。
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昼下がりは、チビッコたちも大人も折り紙に熱中する、ほのぼのあったかい時間が流れた。
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爪はつぶれ、手は指先を真っ黒にしている働き者の立派なお父さんは
美しいものを愛でる繊細な心を持っていて、 ため息をつき、驚き、
花を手にとってはじーっと眺めてくれる。
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ひょうたんのような植物だと思うが、上手に穴を空けて これを使って水をすくう。
使っている姿もかわいくて、とても気に入ったので、これが買いたいと頼むと
家の中を探して持ち帰りやすい小さめのクチュを見つけてきてプレゼントしてくれた。
うれしい、ありがとう!
大事に大事に日本にも持ち帰らないと!
空港で没収されないように願って。
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カムスム・ユーレイ・ナムゲル仏塔へ
棚田の村の丘の上から見下ろしている仏塔。農家に宿泊した翌日は、散歩しながらこの仏塔へ。

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村を見晴らす丘の上の、さらに高い仏塔の上から見下ろす棚田はすばらしい光景。
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いよいよ私がこの家を出る日。
ちょうどこの姉妹もプナカ・ゾンにいくために 髪を洗い、
民族衣装を着て、出かける身支度をする。

さあて、この家おいとまするときがきた。
さみしいけれど、お別れです。
またスーツケースをかついでもらって、30分かけて棚田を降りてく。
棚田を歩くのに不慣れな私の荷物を姉妹がもってくれる。
また、会う日まで。
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パロの農家にファームステイ
パロの農家には1泊のみさせてもらった。リンゴの木がある農家で、道も整備され、車が横付けできるという
プナカでファームステイした農家とは最初の出だしから全然違うロケーション。
到着したら、この家の兄弟が出迎えてくれ、私のバッグを持ってお手伝いしてくれる。
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寒いけれど、かわいい暖色にペイントされた暖かい色合いの廊下。
でも、寒いんだー!!!
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なんと、遊び道具が本物の銃。
銃?!
いやあ、驚いた。
テレビから音楽が流れたとき、二人とも直立不動になって歌っていた。
きっと国家だろうな。
こんなちっちゃいときから、自国を愛するブータンの子どもたち。
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この家は、お父さんお母さんと子どもが2人の4人家族。
プナカでファームステイした農家よりも近代的で、電化製品もそろっている。
きっと、ちょっとお金持ちな家なんだろうなと思う。
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薪ストーブのある部屋でみんなでいただく。
アラ(お酒)も一杯どうぞ、と出してくれる。
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たぶん、これは想像だけど、ちょっと裕福なこの家のちょっと奮発した料理ではないかと。
豪華すぎてちょっとブータンの一般家庭の料理というのとは違うのかもしれないな。
プナカの農家の料理が、きっと一番一般ブータンらしかったのかなと思う。
けど、このドライかぼちゃの煮物、おいしかったなあ・・・。
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この間教えたあやめとクリスマスツリーを自力で折って完成させていた!
あやめなんて、日本人でも折れる人多くはないのに!
もう覚えちゃったのか!
なんて頭のいい、なんてマメな!
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車に乗り込もうとして振り返ると、階下にもチビッコたちが住んでいたようで、
顔をのぞかせていた。

ちょ、ちょ、
ちょっとーーーー!
なんなの! かわいすぎ!!!!

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